環境庁発表の平成27年度の日本国内における一般廃棄物の量は380kg/人です。
事業用のごみを含めた年間の総排出量は4,432 万トンです。およそ国民1人が1日1kgちょっとのごみを出している計算です。
世界屈指のゴミ排出大国のアメリカは720kg/人で、ヨーロッパの主要な先進国に比べても少ない数字です。
一部で日本のごみ排出量は世界一という情報はありますが、それは誤りです。
なお、2000年以降はエコへの取り組みやリサイクルが加速したため、国内のごみ排出量は減少傾向が続いています。
日本で問題になっているのは焼却ゴミの量です。
日本は国土が狭くて人口密度が高いです。
本州の住宅街に住んでいる方の多くは近くに焼却炉があると思います。
海外は焼却炉の数は少なく、ごみの多くはそのまま埋め立ててしまいます。
日本は埋める場所がないため、焼却ごみにしてコンパクトに処理する必要があります。
ごみの処分にコストがかかっているだけではなく、ゴミを焼却する過程での環境汚染が問題になっています。
昭和生まれの人は、子供のころに「日本のごみ問題が深刻で埋立地がなくなる」と学校の授業で習っているはずです。
最近はごみの最終処理場に関する問題は注目されなくなりました。
将来に向けての課題はあるものの、もっとも人口密度が高い東京では東京湾に埋立地を作ってゴミ処理場を設置することで対応しました。
新たな埋立地を作る方法で場所の問題はクリアしていて、ごみのリサイクルや処理方法の工夫で一昔前のような深刻な問題ではなくなってきました。
現在もごみの排出量削減への取り組みは継続して行われていて、結果もついてきています。
今後もリサイクルの促進や、ごみ排出量の削減、処理方法の工夫などで対処できる見込みです。
紹介した通り、日本は人口密度が高くて焼却ごみの量が多いです。
さらに問題なのは、日本には資源が少なく、製造業の盛んな一方で材料は輸入に依存しています。
日本の貿易黒字は有名ですが、輸出入の総トン数で見れば輸入の方が圧倒的に多いです。
つまり、海外から資源が入ってきて、それがごみになることで国内に溢れる物の量は毎年増加しています。
世界の中でも日本はごみ問題に対して真剣に取り組まないといけない環境があり、環境汚染のデメリットを認識した中で焼却炉を増やしてきた歴史があります。
資源ごみが増加している要因のひとつは通販の普及です。
Amazonや楽天など大手通販サイトが普及したことで、店頭ではなく通販で買い物をする人が増えています。
多くの商品はダンボールで届くことになりますが、ダンボールはリサイクル可能な資源ごみです。
国内は古紙のリサイクル率が世界1位で、通販を利用することは節約かつエコな取り組みと捉えることができます。
その一方で問題師されているのがプラスチックごみの増加です。
通販で買った場合も梱包用やクッション材のビニールごみが出ます。
2018年から中国の廃プラスチックの輸入規制が始まって、プラごみのリサイクル施設の少ない日本はごみの量が溢れる事態に陥っています。
現在、ごみ問題で一番の課題になっているのはプラスチックごみの削減とリサイクル施設の整備です。
参考記事:日本の廃プラスチック問題